○救急業務規程

平成8年3月25日

消本訓令第12号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、救急業務について必要な事項を定め、救急業務の能率的運営を図る事を目的とする。

(用語の定義)

第2条 この規程における用語の意義は、次の各号に定める。

(1) 救急業務とは、消防法(昭和23年法律第186号、以下「法」という。)第2条第9項に定める救急業務。

(2) 「救急事故」とは、法第2条第9項及び消防法施行令(昭和36年政令第37号)第42条の規定によつて救急業務の対象となる事故。

(3) 「救急自動車」とは、救急業務を行う自動車。

(4) 「救急救命士」とは、救急救命士法(昭和3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。

(5) 「救急隊」とは、救急業務を行う消防吏員及び救急自動車の1隊。

(救急業務の範囲)

第3条 この規程における業務の範囲は、次の各号に定める。

(1) 火災事故

火災現場において直接火災に起因して生じた事故。

(2) 自然火災事故

暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火、雪崩、地すべり、その他の異常な自然現象に起因する災害による事故。

(3) 水難事故

水泳中((6)運動競技によるものを除く。)の溺者又は水中転落等による事故

(4) 交通事故

すべての交通機関相互の衝突及び接触又は単一事故若しくは歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故。

(5) 労働災害事故

各種工場、事業所、作業所、工事現場等において就業中発生した事故。

(6) 運動競技事故

運動競技の実施中に発生した事故で直接運動競技を実施している者、審判員及び関係者の事故(ただし、観覧中の者が直接に運動競技用具等によつて負傷した者は含み、競技場内の混乱による事故等は含まない。)

(7) 一般負傷事故

他に分類されない事故。

(8) 加害事故

故意に他人によつて傷害等を加えられた事故。

(9) 自損行為事故

故意に自分自身に傷害等を加えた事故。

(10) 急病事故

疾病によるもので救急業務として行つたもの。

(11) その他の事故

転院搬送、医師、看護婦搬送、医療資機材等の搬送、その他のもの(傷病者不搬送件数のうち(1)から(10)の救急事故に分類不能のもの及び誤報、いたずら等で救急事故等の不明なものを含む。)

第2章 救急隊等

(編成)

第4条 救急隊は、救急自動車1台及び救急隊員3人をもつて編成する。ただし、傷病者を一の医療機関から他の医療機関へ搬送する場合であつて、これらの医療機関に勤務する医師、看護師、準看護師又は救急救命士が緊急自動車に同乗している場合に、救急隊を救急自動車1台及び救急隊員2名で編成することができる。

(救急隊員)

第5条 消防長は、救急救命士の免許を有する者及び救急講習を修了した者で救急隊員(以下「隊員」という。)として適当と認めた者のうちから隊員を命ずる。

(救急隊長)

第6条 救急隊長(以下「隊長」という。)は、隊員のうち上席の階級にある者を充てる。

2 隊長は、上司の命を受け隊員を指揮監督し救急業務を円滑に行うよう努めなければならない。

(指揮監督)

第7条 署長は、消防長の命を受け救急業務を掌理し、救急隊員を指揮監督するとともに、隊員に対し救急業務を行うに必要な学術及び技能を習得させるため、常に教育訓練を行うよう努めなければならない。

(隊員の服装)

第8条 隊員は、救急業務を実施する場合は救急服を着用する。

2 救急救命士は、別図の救急救命士章を着用するものとする。

(隊員の心得)

第9条 隊員は、救急業務の特質性を自覚し常に身体着衣の清潔保持に留意するとともに、傷病者の取扱いにあつては懇切丁寧を旨とし、傷病者に羞恥又は不快の念を抱かせないように努めなければならない。

第3章 救急活動

(救急隊の出動)

第10条 救急隊の出動区域は松前町、福島町、知内町、木古内町全域とし、出動指令は、消防長の命に基づき署長が発令する。ただし、消防長が必要と認めるときは、区域外についても出動させることができる。

2 救急事故の発生の通報を受けたとき又は救急事故発生の場所、事故の種類、傷病者の数及び傷病の程度等を確認し、署長に報告しなければならない。

(口頭指導)

第10条の2 署長は、救急要請時に、通信室又は現場出動途上の救急自動車等から、救急現場付近にある者に、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。

(現場指揮)

第11条 現場における救急業務の指揮は、隊長とする。

2 隊長に事故あるときは、上席の隊員が指揮をとる。

(救急措置)

第12条 救急隊は、救急事故現場に到着したときは直ちに傷病者の状況を把握し、必要な措置を施して所定の救急病院に搬送する。

2 救急隊は、傷病の程度が軽傷であると認められる者又は直ちに応急的な診療を受ける必要があると認められる者若しくは当該傷病者又はその関係者が医療機関又はその他の場所を指定する者については、所定の救急病院以外の医療機関又はその場所に搬送することができる。

3 救急病院以外の病院等に搬送を依頼され搬送した場合は、依頼書(第1号様式)を提出させる。

(搬送を拒んだ場合の取扱い)

第13条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとし、傷病者又はその関係者から搬送拒否書に押印を受ける。

(搬送の制限)

第14条 隊員は、傷病者を搬送することが傷病の程度を悪化させ、又は生命に重大な影響を及ぼすと認めるときは、医師に診断を依頼し、その結果により行動する。

(死亡者の取扱い)

第15条 隊員は、傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると判断した場合は、これを搬送しない。

(関係者の同乗)

第16条 隊員は、救急業務の実施に際し傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは、努めてこれに応ずる。

(法定伝染病と疑われる者の取扱い)

第17条 救急隊長は、法定伝染病と疑われる傷病者を搬送した場合は、医師の診断結果を確認し、隊員及び救急自動車等に所要な措置を講ずるとともにこの旨を速やかに署長に報告しなければならない。

2 署長は、前項により通報を受けたときは、所要な措置を指示するとともにその状況を速やかに消防長に報告しなければならない。

(被保護者等の取扱い)

第18条 署長は、傷病者が生活保護法(昭和25年法律第144号)に定める被保護者又は要保護者と認められる場合においては、町長に通知する。

(家族への通知)

第19条 隊員は、傷病者の傷病の状況により必要があると認めるときは、その者の家族等に対し傷病の程度又は状況等を連絡するように努める。

(傷病者の引き渡し)

第20条 隊員は、傷病者を搬送し医療機関に引き渡した場合は、搬送確認書(第2号様式)に所要事項の記入及び医師の署名・押印を受けるものとする。

(犯罪の連絡)

第21条 隊長は、傷病者の原因に犯罪の疑いがあると認める場合は、速やかに署長に報告するとともに所轄警察署に連絡し現場保存に留意しなければならない。

(出場報告)

第22条 救急隊が出動したときは、現場において緊急業務を実施したその内容を記載した救急出場報告書(第3号様式)及び救急隊活動記録票(第3号の2様式)により署長に報告しなければならない。

2 救急救命士の隊員は、救急救命士法施行規則(昭和3年厚生省第44号)第21条に定める救急救命処置を行つた場合は救急救命処置録(第5号様式)に当該処置を指示した医師の氏名及びその指示内容等所定の事項を記録しておかなければならない。

3 前項の救急救命処置録(第5号様式)については、その都度写しを消防長に報告するものとする。

(出場報告書の作成)

第23条 救急出場報告書の作成は、当該出動した隊長等がその都度作成する。

(統計報告)

第24条 救急隊長は、救急業務を実施した後において、救急事故報告要領の制定について(昭和39年自消甲教発第18号)に規定する報告様式により統計し、署長に報告しなければならない。

2 署長は、前項の報告に基づき、救急通報にあつては即時、救急詳報は事故発生日から5日以内に、救急月報にあつては翌月の10日までにそれぞれ消防長に報告しなければならない。

第4章 医療機関等

(医療機関との連絡)

第25条 署長は、傷病者の搬送収容の適正を期すため救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省省令第8号)の規定により北海道知事が定める救急病院及び救急診療所(以下「救急病院」という。)と常に密接な連絡をとる。

2 救急救命士の隊員は、救急救命処置の実施に当たつて、医師又は医療関係者と緊密な連絡をとるものとする。

(医療機関の調査)

第26条 救急隊長は、救急病院として指定された医療機関の名簿を備え常に傷病者の搬送に適する医療機関を調査しておかなければならない。

(警察との連絡)

第27条 署長は、所轄警察署と救急業務の実施について情報を交換し、緊密な連絡をとる。

第5章 救急自動車の取扱い

(消毒)

第28条 救急係長は、次の各号に定めるところにより救急自動車及び積載品の消毒を行う。

(1) 定期消毒 月1回

(2) 使用後消毒 毎使用後

(消毒の標示)

第29条 救急係長は、前条第1号による消毒をしたときは、その旨を消毒実施表(第4号様式)に記入し救急自動車の見やすい場所に標示しておく。

(救急自動車の整備)

第30条 救急自動車は、常に整備点検を行い常時出動体制を整えておかなければならない。

(救急自動車に備える器具等)

第31条 救急自動車には、別表第1に掲げる救急器具及び材料を備える。

2 高規格救急自動車には、前項に掲げるもののほか、別表第2に掲げる高度な救急救命処置を行うために必要な資器材を備えるものとする。

3 救急係長は、前2項の資器材について点検、補充等保守管理を十分に行うよう努めなければならない。

第6章 雑則

(特殊救急業務計画)

第32条 署長は、救急事故のうち特殊なものの発生した場合における救急業務の実施についての計画を作成しておく。

この訓令は、平成8年4月1日から施行する。

(平成9年11月20日消本訓令第5号)

この訓令は、平成9年12月1日から施行する。

(平成12年6月28日消本訓令第1号)

この訓令は、平成12年7月1日から施行する。

(平成14年3月22日消本訓令第1号)

この訓令は、平成14年4月1日から施行する。

(平成16年12月22日消本訓令第2号)

この訓令は、平成17年1月1日から施行する。

(平成17年3月3日消本訓令第1号)

この訓令は、平成17年4月1日から施行する。

(令和2年3月9日消本訓令第1号)

この訓令は、令和2年4月1日から施行する。

別表1

分類

品名

分類

品名

観察用資器材

血圧計

聴診器

体温計

検眼ライト

血中酸素飽和度測定器

心電計

消毒用資器材

噴霧消毒器

生理食塩水

各種消毒薬

その他の消毒器

一般消毒薬

次亜塩素酸ナトリウム溶液

クレゾール石鹸液

呼吸・循環管理用資器材

自動式人工呼吸器一式

手動式人工呼吸器一式

酸素呼吸器一式

吸引器一式

経鼻エアーウェイ

喉頭鏡

マギール鉗子

ショックパンツ

自動式心マッサージ

その他の資器材

水のう・水枕

臍帯クリップ

はさみ(一組)

ピンセット(一組)

手袋

マスク・保護メガネ

膿盆

汚物入

手洗器

洗眼器

創傷等保護用資器材

副子

三角巾

ガーゼ

ばんそうこう

止血帯

タオル

救出用具

救命浮環

救命綱

万能斧

その他の資器材

保安帽

救急かばん

警笛

懐中電灯

保温搬送用資器材

担架

まくら

敷物

保温用毛布

雨おおい

その他

在宅療法継続用資器材

その他、必要と認められる器具及び材料

別表2

分類

品名

呼吸・循環管理用資機材

半自動式除細動器

輸液・薬剤セット一式

ラリンゲアルマスク

ツーウェイチューブ等

通信用資機材

心電図伝送装置

自動車電話

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救急業務規程

平成8年3月25日 消防本部訓令第12号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第8編 防/第4章
沿革情報
平成8年3月25日 消防本部訓令第12号
平成9年11月20日 消防本部訓令第5号
平成12年6月28日 消防本部訓令第1号
平成14年3月22日 消防本部訓令第1号
平成16年12月22日 消防本部訓令第2号
平成17年3月3日 消防本部訓令第1号
令和2年3月9日 消防本部訓令第1号